人間について 真剣勝負の人生
------------------------------------------------------------------剣道で面に小手、胴をつけて竹刀で試合をしている間はいくら真剣にやっているようでも、まだまだ心に隙がある。打たれても死なないし、血も出ないからである。しかしこれが木刀で試合をするとなるといささか緊張せざる得ない。打たれれば気絶もする。死ぬこともあり得る。増してや真剣による勝負となれば、一閃が命にかかわる勝つこともあれば負けることもある。などと呑気なことは言っていられない。勝つか負けるかどちらかひとつ負ければ生命が飛ぶ。「真剣」とはこんな姿をいうのである。人生は真剣勝負である。だからどんな小さなことでも生命をかけて「真剣」にやらねばならないもちろん窮屈になる必要は少しもない。しかし、「長い人生ときには失敗することもある」などと呑気にかまえていられない。これは失敗したときの慰めの言葉で、はじめからこんな気構えでいいわけがない。真剣になるかならないか、その度合いによってその人の人生は決まる。-------------------------------------...
