人間について 日本の職人の心に息づく武士道精神 そして無心の境地
新渡戸稲造はその著「武士道」の中で続けて次のように記している。外国人旅行者は誰でも、日本人の礼儀正しさと品性のよいことに気づいている。品性のよさをそこないたくない、という心配のもとに礼が実践されるとすれば、それは貧弱な徳行である。だが礼とは、他人の気持ちに対する思いやりを目に見える形で表現することである。それは物事の道理を当然のこととして尊重するということである。また、武士道精神は損得勘定をとらない。むしろ足らざることを誇りにする。とも言われる。江戸時代から武道のなかで最も武士道の精神を必要とするといわれる武道は何かご存知でしょうか。剣道、柔道、居合道などを思い浮かべる方が多いと思いますが、実は「弓道」なのだそうです。なぜなら弓道にこそ、「無心」の境地が最も必要とされるそうです。無心とは「私心なく無心になり没頭できる心」であるという。これは非常に難しい心のコントロールであると思う。すなわち無心でありたいと思った瞬間に無心ではなくなるというのである。「無心でありたい」と思うこと自体が私欲だと言うのである。弓道においては、「的を射たい」という心が産まれた瞬間にその「私欲」が発生し、それが心...
