人間について 煩悩即菩提
初めて知ったのですが仏教には煩悩即菩提という考え方があるそうです。僕は煩悩をなくすことが生きるあらゆる苦悩から解放されるのだと考えていました。ゆえに無私無欲というものを追求していきたいと考えていました。体が不自由になった心の苦悩だけでなく、中枢性疼痛の身体的な物理的な痛みの苦痛でさえも煩悩をなくすことで解放されるのではないかと考えていた。しかしそもそも人間である以上煩悩を完全になくすことなど不可能ではないかとも思っていた。できないとしても少しでも涅槃の境地に近づこうとする努力が大切だと考えていた。つまり禁欲主義のようなものである。ところが煩悩即菩提という考え方はそもそも人間が完全に欲を断ち切るなどということは不可能だということを前提として、どうせ断ち切ることができないのだから、「欲望をそのまま喜びにかえてしまう」という考え方だ。つまり人間を悩ませる煩悩をその時、その場で、そのまま喜びに転じてしまうというのだ。実に面白い考え方だ。例えば、西洋医学と東洋医学で考えた場合、西洋医学では、悪いところがあったらどんどん切ってしまいます。胃ガンがあったら、胃を切ってしまう。胃がなくても生きられる。...
